ご当地もの
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January 9, 2008醸造関係者が参るという京都の松尾大社。仲良しの居酒屋さん親子と蔵元が毎年参拝。今回はそれに便乗し、物見遊山で繰り出しました。
ずらり並んだ献上こも樽。大手醸造蔵の名もちらほら。
有料試飲…ではなく、お神酒を販売。升に入って1200円。お替わり200円。 3種類の樽が横並びしてました。この樽は丹波・西山酒造場の小鼓さんのもの。デザインがおしゃれで有名なお蔵です。奉納しているんですね。
お酒を販売している横の小テーブルに「塩」が。ざっくりしています。
お守り一覧表。他では見られないラインナップ。さすがにお酒関係多し。「醸酒守」は蔵人用ですね。「販酒守」は酒販店さん用か、飲む人用には「服酒守」となんでもござれ。酒粕飴もありました。とことん酒。
ご祈祷内容も「醸造安全」「酒業繁栄」「酒販業守護」とあります。特化してますねえ。
社内を歩いていると、おや、「新春タル占い」の文字が。(「樽うらない」は「樽売りません」みたいですね)。イベント的お楽しみが工夫がされていることに感心! どんなものか覗きにいくと
矢で樽の中心をめがけて撃つのだとか。面白い! 2本の矢で300円也。やまよ、1本はずれ、2度目の1本が樽に当たってキーホルダーget! もう1回トライしたら中心を射抜けそうでしたが、なんべんもするものでナシと引き上げました。
ご祈祷をうけた広島・富久長の今田美穂さん(真ん中)。やまよと同い年で杜氏してます。「醸造安全」を祈願したとか。
祈祷を受けると広間でお酒がふるまわれます。便乗組も一緒にいただきました。
「お替わりできるんですか?」
「……それはちょっと」
いただいた包みを家に帰って開けてみたら
うわっ。添加物だらけの珍味に小粒梅ゼリーとな。
美保神社では昆布とするめだった……と思い出すやまよ。せっかくですから日本古来のものでお願いしたいものです。
年末年始の大冒険 その1浪乃音酒造
January 7, 20082008年あけましておめでとうございます。
(注連縄飾りは奈良県大宇陀の久保本家酒造、蔵入口のもの)
年末年始は恒例の車で大冒険の旅。今回は滋賀〜京都〜鳥取・境港〜宝塚〜奈良・大宇陀と巡り、最初と最後は蔵元訪問でした。大宇陀の久保本家では生もとの酒の「もとすり」を体験! 酒造りの大変さと有り難さが身体でわかる有意義な冬休みとなりました。
12月31日午前中に東京を出発。すいていたので中央ではなく東名高速にしましたが、SAのスタバはどこも行列(>y<) やっぱり年末。大晦日なのでトラックの姿はほとんどナシで快適でしたが。
途中、高速を降り、近江八幡の日牟禮八幡宮とたねやさんが経営の「クラブハリエ日牟禮館」に立寄りました。
近江八幡は以前、赤こんにゃくの取材で訪れましたことがあります。暮らしに精進料理が自然と根づいている土地で、麩の辛子あえ、大根と大豆の煮たものなど、質素できれいな料理が今も作り続けられています。
クラブハリエに飾られていた鏡餅。凛として立派。
このあと、滋賀県大津にある蔵元「浪乃音酒造」さんを訪問。蔵元の中井孝さんは37歳。18歳の時にお父さんを交通事故で亡くし、若くして蔵を継ぎました。現在の石数は300石とわずかながら、兄弟3人力を合わせ少量先鋭の酒造りに励んでいます。
母屋は琵琶湖に面して建ち、夏はお庭で名物のうなぎ料理+お酒の会をすることもあるとか。リビングの窓から見えるのは琵琶湖オンリーで、遠くまで湖でぬけた光景は非日常で新鮮でした (´ー`)
お正月飾りが施された和室。お軸にはお酒の文字が。
玄関脇には白椿。日本家屋ならではの調和を感じます。
2007年も残り6時間。このあと京都・先斗町のお店に移動し、中井さんを交え東京組3名と合流して会食。07年最後の晩酌となりました。お酒は浪乃音の特別純米(12月18日絞り)の新酒と06年の純米大吟醸斗瓶取り。
「酒づくりは面白いですよ。杜氏が蔵元に酒づくりを教えんのは面白いからと違うかなあ(笑)。
教えてしまったら仕事なくなるから(爆)。
酒を絞るときの感覚は子供が生まれた時と同じです」
と、楽しそうに話す中井さん。
職業が選べる世の中とはいえ、一般人は蔵元だけにはなれませんから中井さんうらやましい! いいお酒つくってください。
鳥取 Mt.大山のご馳走
December 13, 200711月に出かけた大山の話。大山といっても神奈川の「おおやま」ではなく、鳥取県の大山です。ここに精進料理の老舗「宿坊 観証院 山楽荘 」があり、およばれしてきました。
玄関を入ると、色とりどりの葉が水鉢に。
お箸が添えられていました。理由を典座さまに伺うと「好きなように並べ変えたり、遊んでいただけたら」と。素敵です〜! 目のご馳走ですね。
標高830m。この地で採れたものをお出しするのが特徴とか。自ら山に入り、きのこや実を採取されるそうです。 なめこおろし、ぶなはりたけの辛子あえ、大山きゃらぼくの寒天よせ。
お若い典座さま、肌が透き通るほどきれい。
食事前にありがたいお話しを頂戴しました。
山いか刺し。わらび葛を練ったもの+湯葉。
いたく感動した「大山きゃらぼくの実の寒天よせ」!
生まれて初めていただきました。きゃらぼくは大山に生える樹。実が食べられるとは知りませんでした。まさにここでしか食べられない一品。はかない命をいつくしんでいただきました。種は毒なので抜いてあるそうです。細かい作業。
*キャラボクはイチイの変種で東北から中国地方にの日本海側の山地に分布。大山では「ダイセンキャラボク」の名で親しまれる。鳥取県の県木。
紅葉の葉、まいたけ、ひらたけ、ならたけ、なめこ、くりたけ、山の天ぷらづくし。
古代米(黒米)のお餅。もちもちして甘〜い。
赤米を煎ったおすまし。精進のお出汁が身体に温かくしみいります。この他に豆乳湯豆腐、ごま豆腐、ぬきたけの酢味噌あえ、桑の実のお酒、名物の大山おこわ(ぶなはりたけ入り)がでました。お気持ちが伝わる料理が並び、大満足の3150円。ご馳走さまでした。
「宿坊 観証院 山楽荘 」は、大山寺宿坊に伝わる山菜精進料理の伝統を守る静かな宿。山麓で採れる旬の素材をふんだんに生かした身体にやさしい精進料理。食事だけも可。スキー場にもなる大山だけに冬は素敵なほど寒いです
●宿坊 観証院 山楽荘
鳥取県西伯郡大山町大山14
電話 0859-52-2006
食事11時〜14時、17時〜20時 要予約
一泊二食8400円〜。食事3150円〜5250円
宮城・元気米の遊佐さん
December 11, 2007
玄米ごはんを食べ始めてから体調がすこぶる良いので、皆さんに薦めています!
なかには「ゲンマイィ〜? まずそう。かたそう。ぼそぼそしてそう」という反応も。
おいしい玄米は味が深くてそれは美味ですが、まずい玄米はまずい。
玄米だろうが、白米だろうが、おいしいお米はおいしいのです。なのに、こと玄米は誤解されやすい。
勘違いしている人も多々あり。
白米だと「魚沼のコシヒカリがいいね〜」という人が、玄米だと「玄米? ああ、ファンケルの発芽玄米ね」ということも。ファンケルは商品名であって米の名柄ではありません。産地でもありません。魚沼のコシヒカリも精米前はみな玄米なのです。
また、”玄米は玄米という米”の種類があると思っている人もいました
ヽ(`д´;)ノ
日本人の米知らず
玄米は米の旨味がそのまま出るので、白米よりこだわってほしいと思います。初めて玄米を食べる人にお薦めはモチモチタイプの品種。
玄米は圧力鍋で炊けばどんな米もモチモチになりますが、玄米が炊ける炊飯器は圧力鍋ほどモチモチにはなりにくいもの。炊飯器でもモチモチになるのは「みるきーくいーん」!
中でも宮城県で土作りからこだわる遊佐康弘さんの「みるきーくぃーん」は、玄米初めてさんにこそ食べてほしいやさしい味わい。
以前、遊佐さんの田んぼにお米の花を見に行きました。 写真は8月お盆頃です。遊佐さんは一人で13町歩を栽培しています。
すっくと天に向かって垂直に立つ、文字通り元気米。
「田んぼは、ツバメと赤とんぼがくる」
どじょう、たにし、蛍の姿も。
田んぼの土作りは遊佐さんならではの工夫がいっぱい。牛を飼っているので牛ふんから自家製。昆布の切れ端を細かくカットしてまいたり、醤油の搾り粕を堆肥にしたりといろいろ試しているそうです。
「はちみつ米」という米もあり。蜂蜜に海藻エキスを混ぜて田んぼにまいたもので、食味が上がるとか。遊佐さん、チャレンジャー。
通信販売もOKなので、興味あるかたはご連絡を。
みるきーくぃーんの他、ささにしき、コシヒカリも作っています。
遊佐農場 電話&fax 0228-52-2166
つやぴかのみるきーくぃーん玄米
モチモチの玄米ごはん。 かむほどに甘いのが特徴。
島根 出西生姜の生姜糖
December 6, 200711月に落語つき山陰ツアーに出かけたときのこと。「來間屋生姜糖本舗」さんへお邪魔することができました。生姜糖は伊勢神宮をはじめ全国の神社仏閣土産として昔からありますが、ここ來間屋生姜糖本舗さんは創業300年、ひたすら生姜糖1本!という潔さ。
原料の生姜は、島根県簸川郡斐川町出西地区で契約栽培の出西生姜で秋に採れる古根のみを使用。
店主の来間 久さんにお話をうかがいました。家業を継ぐ前はIT関係にお勤めだったとか。今はお母様と二人で生姜糖を作っているそうです。
これが創業300年の生姜糖です。板チョコ状で、ぽきんぽきんと折って食べるわけです。原材料は砂糖、出西生姜。上白糖が手に入る前はどうしていたのか興味があったのですが、よくわからないそうです。黒砂糖や、和三盆では生姜の風味があわないとか。
製造現場を見せてもらいました。
これが出西生姜です。どことなくワイルド。
「出西生姜は繊維が非常に小さくて完全に溶解する上に独特の甘みと芳香とを失わぬ」と、島根民藝録/出雲新風土記に記載あり。
生姜糖の作り方は「生姜の絞り汁に砂糖を加えて煮つめ、型に入れて固める」。煮つめすぎるとカラメル状になり、時間が足りないと固まらずで、タイミングが難しいとか。この鍋はその肝心な煮つめるとき用の鍋! 年代ものの銅製。もちろん現役!
型も銅製。味があります。ほんとに板チョコみたい。
写真は出西窯のお店のお休み処です。コーヒーやお茶が好きな器でいただけます。来間さんちの生姜糖もおかれています。
最近はパラフィン紙に、ひとつひとつ包まれた個別包装タイプが人気あり。その昔は板チョコ状のものしかなかったそうですが、出西窯の多々納さんにアドバイスを受け、個別包装で出したところ売れるようになったそうです。確かにこの時代、あの板チョコ1枚は持て余すでしょう。
個別パッケージのミニ箱は、六本木ミッドタウン内のディーン&デルーカでも発見しました。クラシックラベルがいい感じです。
出西窯は、浜田庄司や河井寛次郎、バーナード・リーチに教えを請うた民藝窯。「世の中はなにもかも“おかげさま”によるもので、自分の手柄などどこにもない」という無自性の理念をつらぬき、共同作業による器作りをつづけています。
お休み処で出されていた番茶。出雲地方で番茶といえば、これ!です。香ばしくてほんのり甘く、やさしい味わい。
季節限定「生姜の砂糖漬け」。新生姜をうす〜くスライスし、砂糖漬けにした一品で、見た目よりもかなりスパイシー。出西生姜のいい辛みがガツンと伝わり、砂糖の甘みが気になりません。シングルモルトに合いそうな大人の味です。10月から3月までの季節限定商品でホームページから通信販売で購入できます。これはディーン&デルーカにも売っていませんよ!
宮崎県日南油津/杉村本店
December 3, 2007うおぉ〜。 かっこいい!
先日、宮崎県に行きました。でも、トホホの日帰り。慌ただしい移動の車中から見つけたのは木造3階建てのシブイ店舗。 降りて近づくと、ご主人さんが店の前を清掃中。
「写真撮らせてください〜」
「はい、どうぞ」
杉村本店! 金物屋さんです。 工具や塗装用品、セメントの文字も見えます。
「店内もどうぞ見てください」
感じのいいご主人さんの案内で中をのぞかせていただきました。
博物館といいましょうか、現役の資料館!ですね。ロング丈の火鉢も素敵!
おやこれは、焼き印です。
「昔は農業の道具に押したもんですよ。宿の下駄にも使われましたね」そうか、昔は道具も下駄も木製品。焼き印で自分の目印をつけたんですね。
もちろん、販売もしています。1文字1000円。2文字2000円。
「山本」「山」「洋」の字はないか探しましたが、戦後すぐの商品とのことですでに売り切れ。
「今作るとね、この文字の味が出ないんですよ」
お宝探しよろしく探したら「赤」と「菊」を発見!「赤」は、赤峰勝人さんにプレゼントするつもり。
杉村本店は、宮崎県日南市油津1丁目にあります。
昭和7年の建築で2〜3階はお住まい。2階には10以上の部屋と中庭があるそうです。戦時中には軍への供出で外壁の銅板をとられ、戦火で3階の一部を焦がしたことも。平成2年「宮崎県建築百景」に選ばれたそうです。
焼き印は残っているものはごくわずか。ご興味ある人は現地へgo!杉村本店から歩いて30秒のところに文化庁登録文化財の”油津赤レンガ館”もあり、散策する面白さいっぱい。次回、宮崎に行くチャンスがあったら泊まりでいこうっと。
三重 とよや勘兵衛 塩の煮魚
November 14, 2007伊勢島国立公園五カ所湾、礫浦(さざらうら) の高台にある魚が評判の宿「とよや勘兵衛」さん。南伊勢町企画商工観光課の山本誠樹さんイチオシの宿です。
ご主人の羽根豊年さんは漁師であり、またこの地の自然を生かした魚の養殖も手がけています。もちろん「とよや勘兵衛」の料理人もつとめます。郷土料理をことのほか愛しているとか。今日はよろしくお願いします!
名物のヒラメの薄造りもきれいな味ですこぶる美味。
このほかに舟盛り、サザエの壷焼き、ブリしゃぶなどめくるめく登場。
「1週間分以上の魚をいただきました! 」と合掌していたら、ふすまの戸がガラリと開いて羽根さんが大皿を持って現れました。
熱気ムンムン、香ばしいにおいがただよってきます〜。
羽根さんが藁をかるくほぐすと中からタイが!タイを塩で丸ごと包み、さらに藁で巻いて香ばしく焼いたそうです。藁のスモーク臭とタイのにおいがまじりあってインパクト大!
「なんという料理名なんですか?」「まだ、名前がありません。明日の朝まで考えておいてください!(笑)」
さばいてみると、なんと内蔵付近からゆで卵(鶏の)が登場。ご主人、お客さんをびっくりさせるのが好きみたい(笑)。
タイの味はスモークよりも上品な香ばしさがあり、塩もいい加減!あっさりとついています。なんでもタイは最近、餌に竹炭を混ぜているとか「竹炭を入れてからタイの身が透き通るように白くなりました」だそうです。血管が見えなくなったとか。ほぉ。
そんな話をしているとご主人が「じつは、郷土料理も食べてほしいんですわ。ここでしかない塩の煮魚で、隣町でも作っとらんのです」
「えっ塩の煮魚? 塩だけ? みたいですーっ!!」
「じゃ、少しだけ作ってきますぅ」
シルバー色の煮魚生まれて初めて見ました!
塩だけの煮魚。作り方は2通りあって、ひとつは内蔵をとったあとの魚に(これは鯵)塩をまぶしてから薄い塩水で煮る方法。もうひとつは新鮮な魚をすぐ食べる時、濃いめの塩水を作ってそこにちゃぽんと入れて煮る方法。
塩だけで煮ると、魚のうまみがよりストレートにわかります。「私たちは醤油じゃなくて、塩煮のほうが好きなんです」とご主人と奥さん。写真は前者の方法で煮た塩の煮魚。
「明日の朝、新鮮な鯵が手に入ったら、直接塩水で煮るのも作りますわ」
カラスかあ〜 で一晩あけて
翌朝、お言葉通り。朝食のテーブルには、新鮮な鯵を塩水で煮た塩煮が登場!
ほんとだ夜とはちょっと違う(かんじ)。
伊勢といったら「伊勢海老」でしょうと、じゃじゃ〜んとみそ汁で登場!晩ご飯でお刺身が出て、朝はみそ汁。なんとも贅沢、濃厚な味。
一泊二日でやまよは1ヶ月分の魚をいただきましたとさ。なむ。みかんをいっぱい食べました。
とよや勘兵衛さんは「おとと料理 勘兵衛茶屋」というお店も経営。泊まらずとも食べられます。詳しくはホームページを参照。どちらも魚好きにはたまらない!!
○とよや勘兵衛
〒516-01 三重県度会郡南勢町礫浦153番地
TEL 0599-64-2038 / FAX 0599-64-3333
三重県熊野 超辛めはり
November 13, 2007熊野の名物といえば、高菜の塩漬け。漬けた葉っぱでご飯を包んだ「めはり寿司」が有名です。旬は冬で今、収穫と加工が始まったばかり。その熊野の中でも ”飛鳥たかな生産組合” さんは、「原料/高菜、塩」のみ!と潔い漬け方。高菜といっても品種はいろいろですが、ここの高菜は表面が紫、裏面が緑という妖艶な「赤大葉」を栽培して使用しています。幅が15cm以上、丈は27cm以上が1等品。その基準を満たしても、葉に穴があいていたら2等品。サイズが基準以下で、穴があいたものは三等品と厳しい。これは三等品の「三ト」。三等品の赤大葉を持つ、やまよ。顔がおおえるくらい大きくて立派。でも「三ト」高菜を漬けるときの4大原則!が掲げてありました。なるほどなことばかり。
では畑へ見学に。
ご案内は「飛鳥たかな生産組合」の副組合長の坪井里枝さんです。この組合は珍しいことに役員全員が女性! また全員、生産者であり、加工、販売まで一貫して行うメハリシスターズ!なのです。やあやあやあ、あたり一面、紫色がきれいですね。
あらら、里枝さん、どんどん葉っぱをとっちゃって、ロウソクのような新芽1本だけにしちゃいました。
「外葉は肉厚でなく、薄くてしわも少ないですから、うまい漬け物になりません」
で、このむしった外葉はどうするんですか?
「捨てるんです」
捨てる〜???
穴もあいてないのに。 モッタイナイ!
立派に成長しています。食べてみるとほどよい辛みがじんわり。これは生でいけますね! マスタードリーフやトレビスに近い感覚。上等なオリーブオイルと塩、レモンでサラダにぴったり。
「里枝さん、サラダにも、おひたしにもいけますよ!」
「生で? おひたし? 漬け物にしかしたことないですわ〜」
あらら。
「では、めはり寿司を作ってみましょう。私が栽培したコシヒカリが炊きたてです!」
塩漬け完了の赤大葉を透かしてみるの図。葉脈がくっきり、しっかり!これで包みます。
美しい!!
里枝さんがその場でにぎってくれた「めはり寿司」。紫色がほどよく見えてなんとも色っぽい。食べると辛みがシャープ! 塩気の塩梅もよく、あとくちスッキリ! おやつによしですが、飲んだあとにこれはぴったりでしょう!!的、辛みとうまみ。
なのに商品名はただの「めはり」とは惜しい。唐辛子も不使用でこの辛みです。天然の辛みはとってもスパイシー。里枝さん「超辛めはり」ってどうですか?それと、外葉は生でおいしいし、そうだ、大きさといい「サンチュ」の代わりになりますよ。
「あら、そうですか。それじゃまず自分たちで食べてみないとね。生産部長の幸子さん、さっそく試しましょう。私が葉を用意するから、お肉よろしくね!」
幸子さん大笑い。
明るいメハリシスターズが作る赤大葉のピリカラお漬け物。11月上旬から塩漬けがスタートし、最盛期は真冬で、4月までの生産です。
●飛鳥たかな生産組合
三重県熊野市飛鳥町佐渡266-1電話 0597-84-1110ファックス 0597-84-1114
岡山 丸本酒造オーガニック田の稲刈
October 27, 2007岡山県、鴨方町の蔵元、丸本酒造さんの丸本さんから稲刈りのお誘いが。
丸本さんの蔵は「農産酒蔵」を名乗り、農業特区を日本で初めて取得し、米作りから酒作りまで行うワインで言えばドメーヌ蔵。3年前より無農薬栽培を続け、今季の刈り取り分では一部、有機JAS認定を取得。と、いうので興味ムクムク。ひとっ飛び出掛けてきました。
お米は「山田錦」です。永谷先生の指導のもと「三黄の稲作り」による栽培法。三回様子を見ながら慎重に水を控え、たくましく育てます。比べてみると、よその田んぼよりあきらかにゴールド。
蔵の奥にある丸本宅。「かもみどり」という名柄があるくらい、グリーンがトレードカラーですが、なんと屋根瓦までグリーン。
さて、稲刈り前に腹ごしらえに行きました! 丸本さんが「海外出張から帰ったら真っ先に行く」というソウルフルな町内のうどんやさんです。
ぬわんと w(゚Д゚)w
天ぷらうどんを頼むと、A4版の天ぷらシートが丼の上にのって登場。
天ぷらシートにひかれつつも、やっぱり定番!を注文。うどんといえば湯だめです。つるつるシコシコ、艶のあるなまめかしいうどん。テーブルには葱、ごま、生姜のすりおろしが置かれて、入れ放題! 生姜はすごく嬉しい。おでんもあって、充実のうどんやさんでした。
では、お腹も満たされたところで、田んぼに戻り、いよいよ稲刈りです! d(*^ー゚)b いくで〜。
有機JAS認定を取得するには、さまざまなお約束があります。チェックシートをひとつひとつ確認しながらスタート。
軽トラックがやってきました。清水をたっぷり荷台に載せ、水を流し始めます。道具を始め、長靴まで丁寧に水で洗います。もちろんやまよも手や靴、鎌を洗いました。準備バンタン!
鎌ですよ! 三日月形をした鎌!(ほかの形はないだろう)
ベテランの蔵人さんから、刈り方指導を受け、1回で効率よく刈る角度や、刃の向け方など教わりました。稲をひとたば持って、刃を入れ、ぐいっと一気にひくと、かろやかに切れます。乾いた稲のにおいがそのたびに立ち上がり、なんともいい香り。
手で刈った稲は、少し濡らした藁で束ねます。ベテランのおばちゃんに、へっぽこやまよも教わってギュギュッと結ぶの巻。長い藁はいろんな場面で役立ちます。
そして、そして! 憧れの
コンバイン!
生まれて初めてのコンバインです! うらやましそうに見ていたら(笑)、運転させてくれました。世の中でこれほど楽しいことがあるでしょうかあっ!というくらい、コンバインの稲刈りは面白かったのであります。
丸本さんいわく「コンバインに乗りますとな、まるで自分が海の中にいるようなんですわ。稲の穂がざわざわと波うつさまが、海の波に思えましてなあ」
目の前がすべて稲の頭でゆらゆら。どこまでも広がりある光景。黄金色にたわわに実った田んぼの波にざくざくと進むコンバイン。稲の香りいっぱい、いやされます〜! なんと健康的な作業。化学肥料や農薬を一切使っていない健康な田んぼだからこそ。
じゃ〜〜ん。すべて終了の図。達成感でいっぱいですが、なんにもなくなって寂しい気も。。。
ありがとうございました!!!
楽しかった稲刈りを終え、ハラペコで向かったのは、岡山市内にある「プロポスタ」さん。県内食材95%使用。契約した県内の農家さんから新鮮な野菜がたっぷり! 届くそうです。
丸本酒造の「竹林 瀞 」の生酒もあり。笑顔が素敵なオーナーの公文敬也さん。
湯気ほわほわでやってきた野菜のココット蒸しです。野菜は皮つきのままってのがいいですね! 中まで十分に火を通されてアツアツ〜。
田んぼの光景を思い出しながら、ひとしきり飲んで、食べて、語らって、素敵な一日の幕が閉じました。
「丸本さん! 来年は1haまかせてくださいっっっ」
マコモタケが岩美町からやってきた!
October 20, 2007らっきょうを送ってくれた川上さんから第二弾!の到着。
今、岩美町をあげて取り組んでいる「マコモタケ」です。
同封のパンフレットには「ドキドキするほど調理で変身するうれしい野菜」(なぬっ!?)と書いてあります。 なんでも沼地や湿地に自生するイネ科の多年生草本で、草丈は2メートル長。食用黒穂菌が寄生することで、茎が奇形肥大して「マコモタケ」になる!のだとか。
さっそく緑色の堅い皮をはいでみると、真っ白なマコモタケが登場。「やわらかい乳白色の肉質茎」と説明にありましたが、まさにそんな感じ!まずは塩ゆでにしました。
すぐ、火がとおります。味わいはとうもろこし、ホワイトアスパラガス、エリンギが近いようなほんのり甘い風味。
いけます!
オリーブオイルと黒こしょうパラリで楽しみました。
オリーブオイルで炒めても良かったです。天ぷらや揚げ出しも最高だとか。黒穂菌とやら、すごい働きでありますね。
いろんな野菜とも相性よし! これはマコモタケをハーブと塩でしっかり味をつけてグリルし、白菜とさっと蒸すように炒め合わせたのもの。白ワインにぴったりでした。