ご当地もの
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March 31, 2008新丸ビル7階 丸の内ハウス「MUS MUS」に三重県畔蛸(あだこ)の漁師、北川 聡さんの海の幸が入るようになりました。あだこ便は週2回。
この日はサザエとムール貝が到着。料理長が「すごいです。大粒で立派です!」と見せてくれました。確かにツヤがあって大きい!
北川さんは漁師であり、猟師であり、民宿北川の料理人であり、米を作り、野菜を作る百姓でもあるという八面六臂の活躍。そんな多彩で多忙な北川さんの一番の大取り組みは岩がきの養殖です。天然採苗にこだわり、地元の仲間5名で「的矢湾あだこ岩がき協同組合」を結成。岩牡蠣ひとつひとつにタグをつけ、5名でそれぞれ色を変え履歴もしっかり。
そんな畔蛸(あだこ)の海の幸をいただくからには日本酒でしょう! MUS MUSは「蒸す」が店名なだけに、お酒も「蒸し燗」あり。
蒸し燗にひかれつつも、まずはじめに飲み比べセットを注文。お酒担当の中嶋さんがセレクトした3本は、秋田清酒(株)の刈穂の山廃純米、 日の丸醸造(株)のうまからまんさく、旭酒造(株)の獺祭純米吟醸50。ALL 純米酒。
湯気とともにテーブルにきたのは、大分県「ナチュラルファーミング」から届く野菜を、セイロでアツアツに蒸したもの。春爛漫!の顔ぶれ。味噌バーニャカウダ、和タルタルソース、沖縄の塩の3種でいただきます。
北川さんのサザエの壷焼き! 登場。この磯の香り、醤油の焦げるにおい……。いきなり海の家にきた気分。
つづいてムール貝。オオツブ〜と思ったら1個だけで、あとは小粒。あれれ。次の日、北川さんに言ったら「まだ時季が早いからなあ」と。 (-_-) ナンデストッ
これは全国でも珍しい魚の塩辛。北川さんが住む畔蛸(あだこ)エリア近辺にしかないという、魚一匹丸ごとの塩辛です。現地名「しょっから」。魚(これはサバ)に一切、包丁を入れず、新鮮なうちに塩をまぶし、1〜2年漬けるというワイルドな醗酵食品。サバ以外にカツオ、サンマでも作るという家庭料理だそうです。日本版アンチョビー。
MUS MUS社長の佐藤としひろさん。普段はやさしい笑顔の佐藤さんですが ↓
お酒を利き酒する時と、料理の味をみる時は別人格登場。気迫あり。お酒が劣化しているとすぐさまチェンジ。
獺祭の蔵直の純米吟醸50 発泡にごり酒は、バッチリ! 笑顔が出ました。
磯の香りが辺り一面。 北川さんのサザエが炊き込みご飯となって登場! お米は山形県・鳥海山の池田秋夫さんが栽培する天日干し米を使い、注文のたびに土鍋で加熱。ごはんの具材は日替わりです。
じつは佐藤社長、新丸ビルの同じフロアにもう一軒、お店を経営しています。女子専用のスナック「来夢来人(ライムライト)」。昭和30年代にトリップするレトロな雰囲気。
男人禁制の来夢来人は、お店のスタッフ全員男性。
カラオケもあり。歌の上手いママ、ミッツ・マングローブもお待ちしています。
三重 玉子ブッチャー
March 11, 2008先日の鳥羽での話。市営船のりばの建物を一歩出ると昔ながらの売店がありました。釣りエサ ポセイドン、その隣りは船着き場にいかにもよくあるたこ焼き屋さん。申し訳ないけれど、汚い。見るからにあんまり…というか、そのぉ、おいしくなさそう m(*- -*)m これもよくある光景。
そのまま通りすぎようと思ったやまよの目に飛び込んだ文字。メニューのホワイトボードに、たこ焼き、ソフトクリーム…そして、あきらかに見慣れない文字が (`・д・屮)屮
玉子ブッチャー Σ(゚Д゚ υ)
なんだろう。初めて聞きました。ガリガリ君のような、アイスクリームの商品名? う〜ん。謎 T▽T
待合所に戻り、同行のタマちゃんにその話をすると「何だろうねえ」と疑問二人目で再度お店へ。
(’-’)「すみません。玉子ブッチャーってなんですか?」
店のお兄さん (゚∀゚)「大阪のイカ焼きみたいなもんですわ。玉子焼いてソースかけて」
なるほど。アイスではないことが判明。しかし、ここまで聞いて注文しないのも悪い。タマちゃん(大阪生まれ)がイカ焼きという言葉に反応し、ひとつ注文。
「本場のイカ焼きはプレス機で作るけど、ないからフライパンで焼いている」とのこと。お兄さんは大阪・京橋の出身。子供のときからこの食べ物は身近に存在し「玉子ブッチャー」と呼ばれていたとか。名前の由来は結局不明。
テフロンのフライパンを熱して、玉子を落とす。ほどなくしてヘラでぶっちゃ〜っと黄身を壊し、オキアミをふり入れる。パコパコの透明容器に入れてソースをぶっちゃ〜っとかけ、粉かつおと青海苔パラリで出来上がり!いかにもオオサカ的な一品。
そんなこんなで出発時間。いざ乗船!
揺れる船内でオープン。お兄さんの説明どおりの玉子ブッチャー。見た目とおりの味(´д`)でした。
しかしネーミングは面白い! 名前で魅かれた人も多いはず。名前って大事ですね。いろんな人に聞いちゃいました「玉子ブッチャー知ってる?」ヽ(^。^)丿
船を降りて、タマちゃんを正面から見たら、タマちゃんのヨシエイナバのジャケットにブッチャーソースが Σ(゚Д゚ υ) アリャ あの手のソースはこんもり盛り上がるシミになるんですね。匂いつきで。ブッチャー食べたのバレバレや。
反省の気持ちをこめ、宿でポンポンと水でたたいて落としたやまよ。タマちゃんごめんね。またつきあってください(笑)
三重 潮騒の島「神島」
March 10, 2008神島に初上陸!
神島は三重県と愛知県の間にある小さな島で、三島由起夫が1ヶ月間逗留し「潮騒」を書いた地として有名です。港を散策していると、なにかの干物が、気持ち良さそうに風に揺れているのを発見!
うすっぺらにスライスされた白身ふう。「これは何ですか?」と近くのおばあちゃんにたずねると「さめ」とのこと。なんでも、さめを薄くそいで醤油とみりんに漬けて干す、鳥羽地区の名物「さめのたれ」通称「さめんたれ」だそうです。 透明感があっておいしそう。え、売り物じゃない? あ、おばあちゃんのものじゃない!? こりゃまた、失礼しました (*´c_,`*)ゞ
網からのぞくと、うすーくきれいに干してあります。さめんたれ、どんな味なのでしょう( ̄ω ̄)
斜面が多く畑を作る土地が少ない神島では、プランターや猫の額みたいなところで自家用の野菜を栽培。小さい畑〜っと思いましたが、これだけあれば家族4人の大根は当分足りるかも。狭さも急斜面もなんのその、あちこちで工夫が見られました。
さて、夜!
今宵は漁師さんの民宿に宿泊です。 すると、じゃ〜〜ん。昼間、海で見た「さめんたれ」があぶられて香ばしい姿で登場!ヽ(^。^)丿
品のいいさっぱりとしたおいしさで程よい甘さの醤油味。表面カリッ、中はふんわり。さめはよくアンモニア臭いと言われますが「鮮度と品種」がものをいうそうです。さめんたれにはさめの中で最もおいしいホシザメを使用(魚体にてんてんてんとホシがあるので、ホシザメなんだそうです)。味は醤油味の他、塩味もあるとか。乾燥状態が悪いと風味が落ちるため、干す日の天気の見極めが重要だそうです。
なによりも丁寧な仕事に感動! 三枚におろして薄く切るのがモットー。厚く切れば簡単でも、美しい薄切りにすると乾燥が早く、透き通るように仕上がり、あぶるのも簡単! いただいた命はすべて大切にいただくという島の心が伝わってきました。
日本酒に最高!と思いながら手元にない不幸をなげきつつ、前日のお酒を反芻しながら、じっくり味わったのでありました。
神島の蛸は伊勢海老や蚫を食べているという (゚Д゚) びっくり話も聞きました。
天然のわかめをさっと湯通し。味噌たれが神島流。
神島の郷土料理「あらめ巻き」サンマを海藻のあらめでぐるぐる巻いて、じっくり醤油味をしみこませたもの。なんともヘルシー!! とよこちゃん作。
雪中、秋田の桧山納豆
March 6, 2008
秋田で有名なものは数あれど、桧山納豆はつとに有名です。秋田音頭とともについ、口ずさんでしまいますね。
♪コラ、秋田名物八森ハタハタ、男鹿で男鹿ブリコ(アーソレソレ)能代春慶、桧山納豆、大館曲げわっぱ
秋田県庁の方に教わったおそば屋さんでも、登場していました!
秋田はいなにわうどん圏で、おそば屋さんは少ないそうです。ちょっと意外。
「そば処 安澄」さんの一番の名物という「冷やし納豆そば」を注文すると殿方には真っ赤なプチトマトがON女性には真っ赤なイチゴがON
女性にはサービスなんですと! おそばにのったイチゴ初めてです。心づかいに嬉しくなりました。
でも、そばつゆがかかったイチゴ、納豆の味がうつったイチゴってのはどうなんだろうと、隣りの里見美香さんを見ると、すでにイチゴは漬物の小皿に移動ずみ。
「デザートにしようと思って(笑)」なるほど。すでにそばつゆかけてしまったやまよ、ちょっぴり後悔。
いろいろ思い出すにつけ、納豆が歌詞で登場するのは秋田音頭くらいじゃないかと思うのです。素晴らしいPRソングです。♪秋田音頭お忘れのかたに
コラ、秋田音頭です「ハイ、キタカサッサー、ヨイサッサ、ヨイナー」
コラ、いずれこれよりご免こうむり音頭の無駄をいう(アーソレソレ)お耳障りもあろうけれどもさっさと出しかけな「ハイ、キタカサッサー、ヨイサッサ、ヨイナー」
コラ、秋田名物八森ハタハタ、男鹿で男鹿ブリコ(アーソレソレ)能代春慶、桧山納豆、大館曲げわっぱ「ハイ、キタカサッサー、ヨイサッサ、ヨイナー」
コラ、秋田の国では雨が降っても唐傘などいらぬ(アーソレソレ)手頃な蕗の葉さらりとからげてサッサと出て行がえ「ハイ、キタカサッサー、ヨイサッサ、ヨイナー」
コラ、秋田の女ご何どしてきれいだと聞くだけ野暮だんす(アーソレソレ)小野小町の生まれ在所おめはん知らねのげ「ハイ、キタカサッサー、ヨイサッサ、ヨイナー」
コラ、おめがたおめがた踊りコ見るならあんまり口開ぐな(アーソレソレ)今だばええども春先などだば雀コ巣コかける
いい歌詞だな〜。「コ」 をつける秋田弁、優しくて大好き。
雪中、秋田のべらぼう
March 4, 2008秋田第二弾。天洋酒店さんからほど近い居酒屋「べらぼう」さん「日本酒がいい!」と、噂を聞いていただけに期待で胸いっぱい!
店内に入ると、木の豚さんがお出迎え。 誰かの帽子かぶってます。
今宵のお酒ずらずらと幸せの図。全部制覇なるか!?
まってました! がっこ盛り合わせ。いぶりがっこになた漬けに、山菜、茄子の塩漬け。そして手前の赤紫のごはん……これご存知ですか? じつはごはんの漬物で「赤寿司」といいます。能代地方の名物とか。はい、甘いです。能代のおばあさんの中には、ごはんにこの赤寿司をのせて食べる人もいるとか。ほんまかいな。甘いのでおやつみたいです。がっこ天国!
こちらじゃポピュラーな海藻「ギバサ」。たたくと、このようにぬめりが出て、とろとろ。このままアツアツごはんにかけてもおいしいんだとか。お醤油と酢とおろし生姜で、さっぱりつるんとのどごし最高!
秋田といったら鍋! 鍋の具材も盛りだくさん! 白いお団子は名物「だまっこ」! 細うどんは「片栗うどん」という乾麺。でも片栗は入っておらず、小麦粉と塩のみ。
すごい。秋田の酒のラインナップ! こんなにありんすか。天洋酒店から届きます。
「んめ”え〜 酒っこ」
めに濁点ってどう発音?
びっくり。秋田以外の全国の銘酒もずらり勢揃いしてました。 これは天洋さん以外のお店から。
べらぼうさんの手書きオリジナルカレンダーを見つけました。
ご主人がなまはげにふんしてます。
そっくり↓
おつきの猫のセリフ
「なぐごはいねがー」
「ナマハーゲ ナマハーゲ」
ゆるみました〜 ヽ(^。^)丿
カレンダー内の「2008 にがず」にもうけました。
いいなあ〜。秋田・能代 べらぼうさん。
今頃「さんがず」に変わっているでしょうね。また行かなくちゃ!
雪中、秋田でエニョ(追記あり)
March 3, 2008雪の秋田へいってきました。天洋酒店の浅野貞博さんが、能代の駅前市場に連れて行ってくれました。そこで「エニョ」なる山菜の水煮を発見。
エニョ (’-’*)
エニョ (*゚ー゚)
エニョ (*´ε` *)
超かわいい名前ですが、その場に居合わせた人誰も、はえている状態を見た事がないとのこと。ふきそっくりですが、ふきのように中が空洞ではなく、みっちりつまっています。
エニョ o┤*´Д`*├o
つい口ずさんでしまう、その名前「エニョ」
その後、お会いする秋田県人さん何人かに「エニョご存知ですか?」と聞きましたが、能代の民以外は「?? エニョですか?」と目をシロクロ。どうも能代以外では知られてないようです。でも「エニョ」一度聞いたら、忘れられない名前ですよね。
*その後、秋田県庁の佐々木一生さんに聞いたところ「エニョ」以外、「エンニョ」「ニョウサク」「サク」という言い方もあるとか。一生さんいわく「ガキの頃から食べておりまして大好物で〜す。もっぱら「みがきニシン」と一緒に煮付けにします。どんぶりご飯、いけます(笑)」とのこと。椎茸やさつま揚げとも煮付けますと浅野さん。ふむ。
詳しくはこちらそしてこちら。
天然の生わかめ98円。「ギバサ」という名の海藻もあり。ホンダワラか? あみ茸の能代名「いくぢ」 能代では欠かせないキノコだそうです。天然で塩だけ使用の水煮とあり、こりゃいい!と思ったら中国産。あらら。てんこ小豆。黒ささげとか。秋田産は1袋180円。輸入品は105円也。
ところ変われば品変わる。楽しいですね!
おや、大袋。
な、なみしお〜〜っ :w(゚Д゚;)w:
漬物工場や、味噌屋さんの片隅で見た事ありますが、一般店舗で「並塩20kg」がどうどうと市販されているのは、やまよ初めて見ました。秋田、さすがというか、なんというか。漬物文化圏なのでしょう。
たまげた能代いろいろ
キャベツ1俵 980円で販売。
一俵って?? ∑(`ヮ´*ノ)ノ
人参さんも1俵売り。(-θ-)ノ
1俵って60kgじゃないのかしらん。大量に売る事を1俵という単位で表す?
謎を残したままの秋田路でありました。
今回のガイド、能代博士こと天洋酒店・浅野貞博さんをご紹介します。
お店で売っているのは秋田県産の純米酒・吟醸酒のみ。しかもすべてが試飲ができるという、なんとも頼もしいお酒やさんです。
試飲したお酒です。20種類以上。オソロシヤ。
一緒に行ったdancyu別冊 編集長の里見美香さん。全部モチロン制覇です! ふらふらのやまよと違って余裕たっぷり笑顔のピース! さすが発酵研究編集長! 鍛え方が違います。
天洋酒店さんは年中無休でAM9時〜PM7時営業。ビールもナシと潔いのでありました。通信販売もOK! 詳しくはホームページをLOOK
〒016-0824
秋田県能代市住吉町9−22 電話0185-52-3722
*追記数日後、浅野さんからエニョと身欠きにしんが送られてきました。にしんはたっぷりの日本酒を使って柔らかく煮たあと、醤油、みりん、生姜を入れてコトコト。その汁でエニョを煮ました。エニョはふきの味に近く、なめらかでややほろ苦感あり。味の濃いにしんに合わせるのはなるほど!でした。
そしてエニョだけさらに、たまり醤油と味醂を足して煮たところ、赤ワイン煮のようにこっくりとした色とおいしさになりましたとさ。ごはんモッテコイの味!
思わぬ秋田の味を堪能 ヽ(^。^)丿↓浅野さんセレクトによる、今飲み時の秋田の酒3本!
岐阜 銅版印刷の昔の器
February 7, 2008 土岐市の窯業メーカーを見学しにいきました。お昼ごはんをカネコ小兵の伊藤さんと食べていたら、偶然、絵付けのプロであるミズノ・セラックの水野和之さんにお会いし、話がはずみ、その足で会社訪問させてもらいました。水野さんは銅版転写をはじめとする陶磁器下絵が専門です。
会社にお邪魔すると、手がけられているyearプレートの他に、懐かしい!ブルーの絵柄の器がたくさん並んでいました。昭和30年代頃まではヨーロッパやアメリカにこれらの器を盛んに輸出していたそうです。昭和30年代……。知っているような器がありました。
年がわかる!? (*´c_,`*)ゞ これらの印刷はすべて銅版によるものだそうです。
銅版を間近で見ると、本当に細かい。描かれた精妙な柄に感激! 初めてみたので興奮していたら水野さんが昔の版画集を持ってきてくださいました。
輸出が盛んだった40〜50年前までは、このような絵柄の器がこのあたりで、それはたくさん焼かれていたそうです。和紙も近くで漉いたものとか。美濃焼も美濃和紙も有名ですもんね。銅を使う前は板紙だったそうです (’-’*)
「銅板はヨーロッパから入りましたが、陶器にここまで生かしたのは日本人です。日本人みたいな手先の器用な民族はいませんから」と水野さん。 瑞浪市陶磁資料館にいくと、古い山水画の資料などがあるそうです。
信頼のブランド「MIZUNO」マーク ! かっこいい d(>_・ )
おめでたい鳳凰の柄が皿の形に合わせてデザインされています。余白には皿の裏に入れるマークが点在。なんだかかわいい。
日本の象徴、富士山ですね。
UMEってなんでしょう。
ドラゴン? 強そうだからですかねえ。明治〜大正時代の銅板だそうです。
”着物姿の女性が傘を持つ” 絵柄も多かったです。悲しい恋の物語「ブルー ウイロー」の柄もありました。ちょっと中国がミックスしてます。
素敵なアクセサリーと思ったら、すべて絵付けの道具だそうです。
お皿に載せて、上から顔料を吹き付けて絵柄をつけるのだそうです。
こんなふうに奥行きのある柔らか〜い印象の絵柄が生まれます。
「銅は加工しやすいですから、職人さんが切ったり曲げたり、窓を作ったりと器用に作ったものですよ」 このような吹き用の抜き型は、今でも使われているそうです。柔らかい絵柄にしたいときにいいそうです。
「日本は最高の技術を持っています。とくに加色の技術が高い。今一度、物造りの原点に戻って良質の器を提案していきたいですね」と水野さん。陶器の町は発見だらけ。続きはまた今度。
●ミズノ・セラック
陶磁器下絵用 銅版転写、スクリーン転写、パッド印刷用製版、顔料
岐阜県土岐市下石町276 電話0572-57-7117
岐阜 わらべ村の桜井祐子さん+楮
February 2, 2008かれこれ10年近くのおつきあいをさせてもらっている岐阜県美濃加茂市の「わらべ村」桜井祐子さん。久しぶりに二人でゆっくりお食事しました!^.^ お店は祐子さん推薦の「楮 kouzo」 さん。Veganの祐子さんなので、もちろんall vegeコース!! 楽しみ楽しみ。Ψ(`∀´)Ψ
まず初めのお皿は、じゃがいも田楽、ほうれん草入りの柚子釜、エリンギの磯辺揚げの3品です。お酒は房島屋の純米吟醸(こんなお酒の会もあったようです)。
久しぶりに祐子さんに会ったので話したいこと山ほどあり。祐子さん、うるさくてごめんなさい m(。・ε・。)mスイマセ-ン
祐子さんはいつも穏やか〜っで会うだけで癒されるチャーミングな女性です。やまよとは月とスッポン(笑) 動物性のものは一切口にされない祐子さんですが、すこぶる元気! お店にイベントにがんばっています。動物性を摂らないと病気になる……ことはないと実例を前に思うのであります d(-_☆)
祐子さんのお父上は桜井食品の社長、桜井芳明さん。自然食愛好家、ベジタリアン、ビーガンならここの製品、特にインスタントラーメンを知らない人はないっ!というほど有名。岩手県には直営の有機JAS 認定農場の桜井農場もあります。原料にこだわるオーガニックの老舗。
さて、次のお椀が到着。あつあつの揚げ出し大根入りです。心まで温まる一品。
お次の料理には、おっ料理人の市橋さん登場! おいしくいただいてまーす!ヽ(^。^)丿
「いきますよ!」 ジャ〜〜。立ち上がる湯気! いい香りが!
カンカンに焼いた石の上に海老芋がお山の大将状態。そこへ醤油餡をかけたのでアツアツの蒸気が立ち上ったのであります。柑橘の香り、せりのすがすがしさが加わってやさしいおいしさ。楽しんでもらおうという気持ちが伝わります! 嬉しいなあ〜。〜(^Д^〜)
個性的な器はご市橋さんが焼いたものだとか。にぎやかに並べられた鍋道具一式。 なにが始まるの!?
「蕪を鍋に入れてお楽しみください。たれはくるみです」
白いかの刺身(笑)とおもいきや、蕪をほそ〜〜く切ったものでした。 鍋に入れますと蕪はしなやか。周囲が透明に輝きます。
くるみのたれに入れていただくと、ぬるんぷるんとやさしいお味。初めての食感!
なんですか! これは!! 不思議。
「蕪を桂剥きし、フィットチーネ状に切ります。 片栗粉をまぶしてお湯にさっとくぐらせて水切りし、そのあと冷水ではなく蕪と同じ温度の水につけます。つるつる麺のようになっておいしいですよ!」
丁寧に教えていただきました。このお鍋、料理名はなんというんですか?
「蕪のお鍋、今日初めてお出ししたので名前がありません」
「蕪のとろり鍋とか?」3人でわいわい話しがはずみます。野菜だけの料理の可能性って無限だなあと思いました。
くるみだしはくるみをすったものに、りんご糖、醤油、だしを入れたのだそうです。こちらもこくがあって蕪にぴったり! 植物性だけのうま味を堪能 (^ー^* )
最後のごはんは「生のりのお茶漬け」。あつあつの汁に生のりや旬の野菜がキラキラ。ごはんをくずして、さっそくいただきます。うども入って爽やか! じゅる、サクッ。
最後はデザートタイム! 煮りんごです。白砂糖は不使用。おだやかな果物の甘みだけで皮までおいしい一物全体仕上げ。
植物性だけ、白砂糖なしで素敵なコースを仕上げてくれた「楮」さん、そしてセッティングしてくれた祐子さんに大感謝!の一日でした。
Vegeのコースは要予約。動物性素材を使ったメニューもあります。
● 楮 kouzo
〒500-8838岐阜市八幡町35-2(岐阜市文化センター東隣り) 電話058-263-7799
三重 長栄丸さんまの一物全体丸干し
January 22, 2008熊野遊木町の漁師、濱中さんから今季も旬のさんまの丸干しが届きました。熊野灘で水揚げされるさんまは冬が旬!!
蓋を開けると、一面シルバー色。生きている!? かと見まごうばかりの姿形の美しさ。
このさんま、ただものではありません。
濱中さんの船「長栄丸」には秘密兵器、殺菌海水装置と冷海水装置が導入されています。殺菌海水とは海水から作る次亜塩素酸で海水100%。(やまよが使っているSANYOの洗濯機も同じ原理で、洗剤不要)
これを使いだしてから、さんまの表面から雑菌が消え、ぬるぬるしなくなったとか。プラス冷海水の使用で、氷より早く均一に、魚を低い温度に下げられるそうです。氷だけの時代よりもグッといたみにくくなったとか。美しいシルバー色には理由がありました。
それともうひとつ、濱中さんのこだわりは漁の時間。さんま漁は日没から夜明け前だそうですが、夜中の2時はまだ胃袋に食べた餌が残ったまま。こんなさんまを丸干しにすると「焼くと腹が割れ、ぐちゃぐちゃと美しくない。おいしくない。いたみも早い」 ほぉ。
夜明け前の朝4時には、消化されてお腹カラッポ。この時間までじっとガマンで待つオトコ濱中一茂。 「朝どれさんまと呼んでください」
焼いてみました!
シルバーの輝きのまま!! 悪い脂がないので煙もほとんどでません。
さんまをどう生かして干物にするかは奥さんの朋美さんの仕事。
港から戻り次第、鱗を除き、6時間ほど塩をしてからきれいに洗い流します。塩にこだわり沖縄、小笠原、室戸など各種実験。その結果、現在は伊豆大島「海の精」に落ち着いたとか。
「まだまだ! やることいっぱいあるんです。時間と塩の量の関係を研究してます。最高においしい干物にしたいですからっ」朋美さんチャレンジャー!
さて、包丁を入れないさんまの丸干し、どう干すのでしょう?
「1本ずつ尾の端をひもで縛って、棒につり下げるんです。潮風の吹く場所で陰干しが鉄則。2〜3日様子をみて完成です!」
さんまのカーテン。いえ、縦型ブラインド状態。
焼いたさんまの中身です。中まで当然、美しい!
さんまは時季により状態がどんどん変化。12月のさんまはやや大きめで、脂肪も残っているためふっくらタイプ。1月に入って海水が下がると、さんまの身もしまり、小さめに。干すとカチカチ系の仕上がりに「それがうまいんです!」と一茂さん。
そんなカチカチ系こそ熊野のさんま丸干しの醍醐味なんだとか!
全体がスリムになり、身も内蔵もすべてが一体化した珍味系カチカチは骨まで愛せる貴重品。純米のお燗酒にはこのうえなく好相性。
全国的に丸干しといってもお腹を開いたものも多々あります。また、お腹は割かない丸干しでも冷凍品が数多く出回っています。
濱中さんの丸干しは冷凍一切ナシ。すべて手作業による丁寧な仕事を経た丸干しは、日本一美しい!といっても間違いありません。さてこの丸干し期間数量ともに限定品。試したい〜という人、やまよのブログを見た!と言って連絡を。1本300円から。
●長栄丸
三重県熊野市遊木町31 濱中一茂さん 朋美さん電話 090-3156-3195 FAX 0597-87-0778
*後日談。さんまは一部、冷凍保存。濱中さんから「冷凍したら解凍せずに焼いてください」と言われていたのでそのままオーブントースターで加熱。 結果オーライ! ふっくら美味。この夜はワインだったので、パスタを計画。ケッパーと舞茸、にんにく、上等なオリーブオイルを入れてトマトソースを作り、焼き上がったさんまを筒状に切って投入。トマト、ケッパーの酸味と絶妙にあうあう! 出来上がりすこぶる美味! お試しあれ。
むそう商事のオーガニックスパゲティがリマ東北沢店で塩50gのおまけつきで売られていたので購入。塩でパスタの味が決まるとコピーにあり。せっかくのいいパスタでも精製塩でゆでたらだいなしですもんね。最近はトマトの水煮もオーガニックが増えました。価格は一般商品の3倍しますが味は段違い! 缶詰より瓶詰めが好き。
奈良 生酛のどぶ!久保本家酒造
January 14, 2008奈良県大宇陀の酒蔵、久保本家酒造は生酛(きもと)づくりのお酒「生酛のどぶ」(きもとのどぶ)を醸造する蔵元。
生酛づくりとは市販の乳酸を添加せず、自然界にいる乳酸菌がつくる乳酸だけで仕込む、昔ながらのお酒のつくり方です。世の中の99%以上のお酒は速醸酛づくりと呼ばれ、市販の乳酸を使用。乳酸菌が乳酸をつくるまでの時間と手間を省くためです。
お米をするという重要な工程があります。それを「もとすり」といいます。その大事なもとすりが体験できる! というので行って参りました。葛の産地でも知られる大宇陀はいてつく寒さ。
この画像は2回目のもとすりで、夜22時 。
もとすり2回目終了後は、でんぷんのり状態。「デキストリンの香りがあるでしょう」と杜氏。
もとすりは3回に分けて行われ、最後は山芋をすったような状態になるそうです。こうなるともとは重く、弾力が出て、するにも力が必要。
ビックコミック オリジナルで「蔵人 クロード」を連載中の漫画家 尾瀬あきら先生は今季の造りで4回目とか。さすが手慣れておられました。
*尾瀬先生が酒造りにかかわったお酒は「おこぜ」 として販売されています。今回も選ばれたタンクに701酵母を愛情いっぱい! ふり入れておられました ヽ(^。^)丿 「蔵人 クロード」には久保本家の蔵内の景色が時々登場します。
はや飲みでうまい「生酛のどぶ」を考案した加藤杜氏。
「生酛のどぶ」はお燗が最高! しかも50度でもへこたれない、たくましいお酒。料理をおいしくする食中酒です。
どんなに飲んでも翌朝すっきりと目覚めるから不思議。食物繊維たっぷりで ”飲むエステ” とも。
↓さて、翌朝7時に蔵に行くとすでに作業、真っ最中。朝4時からスタートとか。
お米を蒸しています。いいにおい! 湯気もうもう。
お米の蒸し具合、温度をチェックしながら「もやし」( 種麹(たねこうじ))をふる加藤杜氏。
さてこちらは麹米です。「切り返し」という作業中。麹米を管理する部屋は室(むろ)と呼ばれ、ぬくぬくの温度がキープされています。一日中でも入っていたいほど快適なお部屋。
あとは寒い中での作業の連続。
お蔵の外観。今年は雪がありません。
久保本家で昔、作られたというとっくり。カッパちゃんがご愛嬌。
お昼に蔵元・久保順平さんの奥様が作ってくれた黒米入り玄米ごはん。幸せなおいしさでした。
蔵の仕事をかいま見せていただきましたが、早朝から深夜までデリケートかつ根気のいる作業の連続。酒造りの大変さを身体で感じました。良いお酒が飲めるのは、蔵人の努力があってこそ。なんてありがたいことだろうと頭が下がる思いでした。
さてこの「生酛のどぶ」(きもとのどぶ)は、インターネットで検索すると取り扱い酒販店がいろいろ見つかります。池田屋酒店、山中酒の店、酒やの鍵本 など。
○久保本家酒造(くぼほんけしゅぞう)
〒633-2162 奈良県宇陀市大宇陀区出新1834
TEL 0745-83-0036
道の駅の「宇陀路 大宇陀」から徒歩30秒。