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「食料自給率39%じゃ、いけないの?」シンポジウム

やまけんさんのブログで紹介された”食生活ジャーナリストの会”主催の「食料自給率39%じゃ、いけないの?」シンポジウムに参加。

危機的状況だと口では誰もがいうものの、いっこうに上がる気配がないのはなぜ? 

玄米菜食身土不二が食の基本といい続けてきたやまよにとって、非常に関心のあるテーマです。

●シンポジウムの趣旨(一部抜粋)
「食料自給率を上げなければならない・上げるためにはどうすればいいか」という議論ではなく、日本の食料自給率の低さは私たちの生活ーー安心や健康や快適さなどーーと、どのように関わっているのか、そして、自分たちの食料をどうすべきなのか、日本の農業をどう考えればいいのか、を考えてみたいと思います」

 複雑な事情が絡み合っている問題だけに、考えなくてはならない理由は山ほどあります。いざ会場へ。

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やまけんさん大推薦のパネリストたち。
農林水産省大臣官房参事官の塩川白良さん。東京大学大学院農学生命科学研究科長の生源寺眞一さん。神奈川で専業農家を営む長島勝美さん。

やまけんさんが絶賛するだけの論旨明快! 素晴らしいお人柄のおさんかたでした!
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まずは塩川参事官から、厳しい事実が次々と報告されました。 

数字でビックリしたのは農家の規模拡大。水稲1.7倍に対し、乳用牛30倍、養豚450倍! 採卵鶏はぬわんと1200倍!!  

 お米をもっとも食べていないのは20歳代の女性。米は太るから食べていないというデータがあるそうです。
「”米がパン、パスタより太る” というのは誤った認識であり、そこを修正して米の消費量をあげることで、食料自給率を多少は上げることができると思われます」と塩川さん。

玄米食べていれば適正体重になると思います!ヽ(^。^)丿

塩川参事官の話より

「和食回帰で自給率は上昇します。とはいえ食べ方は個人の問題であり、強制的にあれ食べて、これ食べてとは言えません。環境のためとか、セイフティのためとか、健康的なのはこっちですよ!と、さまざまな人に、その人にあったいろいろな角度から、より自給率の上がる食生活=日本人にとって良い食をアピールしていくことが大事だと思っています」 

塩川さん語録その1
「主食はごはん! ごはん! おにぎり!にしたいんです!」 

塩川さん語録その2
「豚に米を食べさせると自給率がupするんです。人がお米をごはんで食べないなら、動物に食べてもらいたいです」

確かに。

お米は余っているというのに、飼料のほとんどはとうもろこしをはじめとする穀類をわざわざ海外から輸入しているのが現状。お肉を食べると自給率が下がるのです。ちなみに卵は自給率95%ですが、餌の自給率は10%だそうです。

皆でお米を消費すれば減反だって必要ありません。ごはんを食べて、純米酒を飲みましょう! 松阪牛にもビールではなく純米酒を! と熱く思うやまよであった。塩川さんがんばってください!

食料自給率を上げるのは超簡単!
「お米を食べて、油脂と肉を減らす!」(o^-’)b ! 

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生源寺先生のお話より

 「フードセキュリティとは食料安全保障と訳され、食料自給率の高さで評価されます。食料自給率には生産額ベース食料自給率(2008年現在約60%)、日本が提唱した熱量ベース食料自給率(2008年現在約39%)、穀物自給率(2008年現在約20%)などがあり、一般的に熱量ベースが食料自給率の指標とされています。

 1955年より高度経済成長が始まり、それと共に食料自給率が低下していきましたが、食料自給率低下の主因として1980年代までは、米からパンや、肉食の増加などの食生活の変化があげられています。それ以降は農業の縮小によって食料自給率が低下していきました」 (-θ-)ノ

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 「1955年より2008年までで国民総生産は約8倍になりましたが、経済の成長と共に食生活がどう変化したかというと、
消費量で肉が9倍油脂が5倍卵が5倍乳製品が8倍となり、一方、米やいも類は1/2に減少しています。高度成長前は経済力もなかったため、米をベースとし、野菜、豆、魚を少しとる質素な食生活が普通でした。食習慣の洋風化の嗜好を驚異的な経済成長が後押しして、劇的な食習慣の変化を促したと考えられます。

 これほど短期間に肉が9倍、乳製品が8倍となるような食生活の変化を体験したのは、歴史的にも高度経済成長期の日本だけと思われます」 ∑( ゚Д゚)ひゃ〜

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 「現在、カロリーベースで60%以上の食糧を海外に頼っている日本ですが、経済成長の鈍化によって日本の購買力が低下していることと、中国およびインドの経済成長つまり購買力上昇からおこっている世界的な食糧の価格上昇を考え合わせた時、今後も食糧の海外調達が持続可能かどうかは難しいところにあります」 
∑(゚д´;ノ)ノ おぉ
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 ↑特にでんぷん類が減少。

「日本の農業の技術革新は進んでいます。農業生産性について見てみた場合、1980年代後半までは農業生産指数は着実にのびていて、畜産は3倍果樹が2倍野菜は1.5倍と増えています。一方で米、麦、豆、いもは0.4〜0.7倍へと低下しています。

 これは土地あたりの付加価値の高い集約型の野菜・果実に農家の生産がシフトした結果です。広い耕地を必要とし、大きな規模で生産効率を上げ、土地あたりの付加価値は低い米や豆の生産が減少したことを示しています。高度経済成長前を100とすると、最高で134までアップした農業生産指数は1986年をピークとして、現在115まで低下しています」

 「品目別の食料自給率の変化を見てみると、消費量が少しずつ落ちながらも、国内生産量も同様に低下している米・いも」が横ばい。消費量が上がっているにもかかわらず、国内生産量が減っている「麦・大豆」が激減。消費量が上がり、国内生産は増えているものの、海外への依存が増えているため低下している「野菜」。国内生産が増えているがそれ以上に需要の伸びが激しく輸入が増えて食料自給率が若干下がっている卵と酪農製品。大幅に需要が増えたため、国内生産も増加しているが飼料を輸入に頼っていることも合わせて食料自給率が急落している牛・豚肉の畜産品の五種類に分類できます」

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「カロリーベースと生産額ベースの食料自給率の差は現在30%近くありますが、この差がどこからくるかを考えてみると、要因は大きく三つあります。一つはレタスなどカロリーはほとんどないが経済的に高い価値のある農産物の栽培。二つ目は同じ農産物でも、松阪牛に代表される国内ブランド品は評価が高いため、カロリーあたりの単価が高いこと。三つ目は飼料の自給率計算上の違いによること。畜産は二つの農業から成立しており、餌をつくる農業と、牛や豚を飼育する農業に分けられる。牛や豚を国内で飼育していても、飼料のほとんどを安い輸入に頼っているため、カロリーベースと生産額ベースの自給率の乖離の大きな原因の一つとなっています」
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 「フードセイフティという言葉は食の安全と呼ばれていますが、フードセキュリティは食料供給が心配なく行われることと言えます。フードセキュリティにも二つの意味合いがあると考えられ、一つは「フードセキュリティA (foodsecurity for all)」平時に全ての人々の食が確保されている状態。もう一つは「フードセキュリティE (foodsecurity for case in emeregency)」不測の際に必要な食の確保です。ここで留意しなくてはならないのは、日本の経済力低下によって国際的な購買力が下がっていることと、主として中国・インドの経済発展にともなう購買力上昇から世界的に食料価格が上がっていることから、日本において輸入食料を購入できなくなり、フードセキュリティAが成立しなくなる可能性もあります Σ(゚Д゚;ww

生源寺語録その1
「ドイツではゾーニングがしっかりしており、街は街、畑は畑とエリアの区分けがきちんとできている。それに対して日本ではゾーニングがしっかりしていないため、田畑が後継者不足もあって簡単に宅地化してしまうのも問題です」

生源寺語録その2
「55〜60年ベースのカロリーで考えると、1995年ころの段階でカロリーベース自給率は80%程度でした。これは農地の減少を農業生産性の向上がカバーしてバランスがとれていたためでしょう。今はもう少し低いと思われます」

生源寺語録その3
「飽食の自給率39%と飢餓の自給率100%では、まったく状況がことなり、一概に数値目標をうんぬんするのは意味がありません。しかし現代の日本においては、自給率は農業の状況と直結しているため、農業が元気になれば食料自給率が上がり、その逆は下がる。そのバロメーターとして食料自給率という数値は大事と考えます」

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非常にためになる話がたくさんでました! 

このあと長島農園の長島勝美さんの現場からの発表がありましたが、これはまた機会があればご報告したいと思います。
やまけんさん、素晴らしかったです! ありがとうございました。

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↑コーディネーターは食生活ジャーナリストの代表幹事・佐藤達夫さん。質問タイムでは質問より意見が多く(!)タイムオーバー。でも、優しい笑顔でこなされておられました。


Topics: 食料自給率 | No Comments »

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